発達障害の子供をもつパパ、ママは毎日大変な思いをしていると思います。
発達障害の特性であるとわかっていても、子供を怒ってしまったりすることも多いでしょう。
我が家も4人の子供がいますが、それぞれ知的障害の診断を受けました。
この知的障害の特性からなのか、いきなり叫んだり、じっとすることができなかったり、癇癪で人を叩いてしまってりしてしまい、つい大声で怒ってしまいます…
そんなとき、同じ境遇の人や専門施設で話を聞いてもらったり、子供を叱らない対策ができるセミナーがあることを知っていますか?
今回は、ペアレントトレーニングという発達障害のある子供に効果的な対応スキルを、親が身に着けることができるセミナーを紹介します。
この記事を読むことで、ペアレントトレーニングについて知り、このスキルを身につけることで親子関係の改善と子供の問題行動を減らすための対応策を知ることができます。
また子供との関わり方を知り、親子関係を改善することによって、2次障害の予防にも繋がります。
\2次障害について詳しくはこちら/
大阪市でも開催されているセミナーはたくさんあるので、それぞれ紹介していきますね。
ペアレントトレーニングの効果
親が障害のある子供の不適応行動を適切に変えるために、効果的な対応スキルを身につけることを目的としたトレーニングの一種です。
1960年代からアメリカで発展してきました。
親の子供へのかかわり方を変えることで、子供の適切な行動を増やして不適切な行動を改善し、子供の健やかな成長発達を促進することを目的とした、心理教育的アプローチです。
多くの研究により、親の養育スキルの向上やストレス低減、子どもの適切な行動の獲得、問題行動の改善への効果が示されています。
発達障害の専門的な訓練を受けたトレーナのもと、1回1.5〜2.5時間を5〜10回程度の講習を受けた親が習得したスキルを家庭で実践することで、親子関係の改善や問題行動を減らす効果があるとされています。
ペアレントトレーニングは注意欠如多動症(ADHD)の子供への対処法とされていましたが、最近は自閉症スペクトラム障害(ASD)の子供にも実施されています。
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発達障害の特徴と分類は?子供の年齢別サインを見逃さないために療育ママが見つけたチェックポイント
それぞれの発達障害に対するペアレントトレーニング
発達障害の特性や年齢によってプログラム内容は少し変わってきます。
自閉症スペクトラム障害(ASD)
コミュニケーションや身辺自立、社会的スキルや問題行動の低減といった課題に対して親が子供との関わり方を学ぶプログラムです。
注意欠如多動症(ADHD)
子供の問題行動の改善を主に目的としたプログラムです。
親子の相互作用の改善、親のストレスを軽減するための取り組みなどが含まれたプログラムです。
またペアレントトレーニング(PT)は予防的と治療的の2種類に分かれます。
予防的な介入のペアレントトレーニング(PT)
主に自治体や地域団体で実施されています。
未診断の子供も含まれていて、褒め方、環境調整、指示の出し方など親が家庭で取り組みやすいプログラムになっています。
治療的な介入のペアレントトレーニング(PT)
主に医療機関で実施されています。
診断を受けた子供に対する客観的な評価、分析を行い子供の特性に合わせた関わり方を学ぶプログラムです。
ペアレントトレーニングの主な3種類
基本的には子供をよく観察する、ほめる、上手な指示の出し方など、テーマを講義ごとに設定したものが作成され、保護者が学び、実践します。
1回の実施期間は約2時間で実施回数によって違いはありますが、コース終了まで約3ヶ月〜半年かかるのが一般的です。
次にペアレントトレーニングで代表的な3つのタイプを解説します。
肥前方式ペアレントトレーニング
- 対象年齢 3〜12歳
知的障害のある子供だけでなく、障害の診断を受けていない子供にも支援され、基本的な行動療法を学ぶ講義です。
家庭内での子供の対応を考えるグループミーティングでは、簡単な目標を決め(子供を叩かないなど)、スタッフと共に対応を考えます。
この対応を家庭で実施後、結果を報告し、指導方法を考えます。
精研式・奈良方式ペアレントトレーニング
- 対象年齢 4〜10歳
注意欠如多動症(ADHD)の子供を持つ家庭向けに開発されたプログラムです。
講義を受け、ロールプレイワークを行うセッションで学んだことを家庭で実施し、子供の行動を好ましい・好ましくない・許しがたいの3つの行動に分け、対応の仕方を考えます。
鳥取式ペアレントトレーニング
- 対象年齢 3〜9歳、10〜18歳
精研式・奈良方式同様のプログラムです。
保護者が子供の特性や発達状態を知ることで、子供とのコミュニケーションを楽しめるようになることが目的です。
褒めて伸ばす、接し方、環境調整、指示の出し方、行動の教え方を学ぶことができます。
ペアレントトレーニングのポイント
子供の行動を3つのタイプに分けて、それぞれ対応を考えます。
好ましい行動
親にとって増やしたい行動です。
- 身の回りのこと(片付け、手伝い、用意など)
- 優しい言葉(相手に譲る、なぐさめるなど)
- 自分から(最後まで)できた
- いつもより頑張れた
- 良くない行動を我慢できた
子供が少しでも好ましい行動をすれば、すぐに褒めて行動を定着させます。
好ましくない行動
親にとって減らしたい行動です。
- できるのにしない(身の回りや宿題)
- マナー(食事、姿勢)
- 泣く、暴れる、叩く
- 時間になっても動かない
- 切り替えができない
- 邪魔をする、ふざける
- 外での勝手な行動
環境の工夫、子供ができるまで親は待って、できたら褒めてあげます。
許しがたい行動
親にとってなくしたい行動です。
- 暴れて物を壊す
- 暴言を吐く
- 嘘、言い訳、八つ当たり
- 人を傷つける言葉
- つばを吐く
この行動をしないための予防か大切です。
また子供の行動を理解するために使われるABC分析と言われているものもあります。
これは客観的に子供の行動を捉え、なぜこの行動をとったのか理由がわかるよになることを目指すものです。
環境を整える
子供が好ましい行動をしやすくするためにはまず環境を整えることも大切です。
- 気になるもの、苦手なものは目の前に置かない
- 事前にルールや指示を絵カードなどで伝える
- 子供の好きなものを取り入れる
- 子供の特性に合わせて刺激になるものを減らす
など、子供が取り組みやすいように親が工夫することが大切です。
ペアレントトレーニングのデメリット・メリット
ペアレントトレーニングのメリット
- 親子のストレスが減り、関係が良好になる
- 子供の自信や自己肯定感アップに繋がり、2次障害の予防になる
- 親同士の情報交換やコミュニケーションがとれる
- 子供の特性について理解が深まる
ペアレントトレーニングのデメリット
ペアレントトレーニングは子供を褒めて伸ばすことを教えられるので、褒め方のコツなど知ることができます。
しかし、講義の時間をとることが難しかっり、初対面の人と話すことが苦手な人には不向きかもしれません。
またすぐに効果が実感できるわけではないので、早く結果が欲しい人には物足りなく感じることも。
大阪市でペアレントトレーニングを開催している施設
大阪市で開催されている施設を紹介します。
施設によって療育手帳は必要ないところもありますが、受給者証が必要になることもあります。
ちなみに療育手帳は障害名や程度を証明するもので、受給者証は福祉や医療のサービスを利用できる証明になるものです。
大阪市発達障がい者支援センターエルムおおさか
TEL. 06-6797-6931FAX. 06-6797-6934
6-2-55大阪市立心身障がい者 リハビリテーションセンター2F
最寄り駅
Osaka Metro・谷町線『喜連瓜破』駅 ①番出口下車 西へ徒歩5分
大阪シティバス『喜連西池前[東]』下車すぐ
ぐろーいんぐあっぷ
- 子供の発達が気になる人
- 10回すべての日程に参加できる人
会場:Zoomでのオンライン講座
参加人数5人 参加費20,000円
日程は全10回 土曜日20:00〜21:00
大阪市内の区役所・市役所
大阪市内の各区役所でもペアレントトレーニングは開催されています。
まとめ
ペアレントトレーニングは子供のいいところを探して褒めることで、親子関係の改善や問題行動の軽減、2次障害の予防に効果的と言われています。
ペアレントトレーニングは様々な施設で開催されているので、子育てに不安がある人や子供の対応について困っている人などはぜひ参加してみてください。
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